
まず、映像教材のメリット・デメリットを考えてみる(下図)。なお、メリットとデメリットは、なるべく対比できるように、左右に並べてみた。
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メリット |
デメリット |
| 授業レベルの画一化 | 決定的な差異化なし |
| ユビキタス(いつ、どこでも、誰でも) | 家でも見られる(塾不要) |
| 管理がしやすい(進捗度、理解度等) | |
| 教材のカスタマイズ化 | |
| 人件費削減 | コミュニケーション |
| 低価格 | 無料コンテンツの台頭 |
| サポート体制(BtoB) |
映像フェアから筆者が作成
授業レベルの画一化は、中小零細塾にとっての恩恵は大きいだろう。特に大学生のアルバイト講師に頼っている個別指導塾では、授業レベルの向上は願い叶ったりだ。しかし、ちょっと待ってほしい。塾の商品は『授業』であり、それを行うのが講師の役割である。それを外注して、「さあ、どうぞ!」というのはいかがなものだろうか。
国が推進しているユビキタス社会。いつ、どこでも、誰もが教育を受けられる。素晴らしいコンセプトだが、家でも見られるのなら、塾に来る必要性はないのでは。実は今回のフェアにおいて、映像授業のソフトの良さばかり強調して、この点を言及しているプレゼンターは皆無に等しかったのは、残念なことだ。
進捗管理や生徒にあった教材さらに問題の選出、授業のチョイスなどは、筆者が思い描くカスタマイズ教育の方向性と一致した。また、たださえ事務が多い塾の仕事が減ると思うと、大変喜ばしいことである(更に事務が増える懸念もあるが・・・)。
人件費の削減は直利益に繋がり、ここを強調されるプレゼンターも多かった。しかし、その一方、映像授業を導入すれば、生のコミュニケーションを失いかねない。画面の中の先生も必死に生徒に訴えかけているが、生の声には決して勝てない。この辺はトレードオフである。
低価格は、消費者として側からすれば大歓迎である。購買意欲が上がり生徒が増える。しかし、これは一時的なことである。価格競争に陥れば、資本力に勝る大手が有利なのは、誰の目から見ても同じことだ。価格競争に巻き込まれないためには・・・、やはりそれは商品力の差異化しかない。残念ながら、どれもこれも本質的に変わらない映像授業では、難しいところだ。
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佐鳴予備校「See-be(シー・ビー)」の模擬授業映像(こういう授業は大好きである)
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そして何より怖いのが、映像授業の無料コンテンツ化だ。YouTubeに代表されるように、ネット上には様々なコンテンツ(しかも良質な!)が、落ちてい る。しかも、加速度的に増え、驚くことにHD規格の映像も増えてきた。ここまで塾がITと対面したことは、かつてなかった。ITの技術は、予想以上 に日進月歩であり、参入障壁が高いとは言えない映像授業は、あっという間に新興企業に飲み込まれてしまう可能性がある。
異業種だが、9月29日、テレ朝とTBSがそれぞれ、YouTubeとパートナー契約を締結した。良質なコンテンツの開放化である。業界は違えども、テレビ不況下で新たな収入源を模索し始めた。まさに新たな流れである。
最後にサポート体制だが、パッケージには、売り切り型、FC型、ボランタリチェーン型等いくつかの形式があるが、決して本部に頼り過ぎないことである。 FCビジネスに関わってきた筆者は、この負の側面をまざまざと体験してきた。大切なのは、自身の塾の商品である授業は、自らの手で開発・構築し、映像授業 頼みの運営を避けることである。
現段階で、映像授業は生の授業とは違い双方になっていない。本来授業とは、先生と生徒がのコミュニケーションで成り立つものだ(生でも一方的な困った授業はごまんとあるが・・・)。しかし、その要素が今の映像授業には入っていない。やがてこの問題も、通信技術の革新が解決してしまうことだろう。
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通信技術の革新
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結論!
現段階では、映像授業はあくまでもサブに徹し、メインは自身の塾の授業を持ってくる。アナログ(人)とデジタル(コンテンツ)の融合、まさにハイブリッド型授業である。










2009年 10月 3日 11:51 AM
[...] 次回後編では、映像授業がどのようなものなか、特に問題点にフォーカスをあて、引き続き分析を進めていく。 [...]