それでも月謝は値下げをしてはならない!

業界(W480)

価格競争の加速化」「価格競争に陥るワケ」にて、ほとんどの学習塾で商品である授業は差異化されていなく、月謝値下げの価格競争に陥っていると書きました。今回は別の切り口から、やはり月謝は値下げをしてはならない理由を記します。

1.広告宣伝費

商品の同質化(差異化の反対)は、価格競争に陥ります。大手塾のように体力があったり、営業力や宣伝力などに力をもっている塾ならば、あえて同質化を戦略として用いることは可能です。しかし、ほとんどの塾にとって同質化を選ぶことは、あっという間に価格競争に巻き込まれ、生徒を獲得するために広告宣伝費は怒涛の如く増えることを意味します。チラシ屋は喜びますが、本当に喜んで欲しいのは生徒自身にです。今一度、他塾と比べて何が優位なのか認識し、それを強みにして戦い方を組み立てましょう。

2.集団塾編

集団塾ですと、ひと部屋あたりに収容人数に限界があります。キャパの限界というやつです。部屋が無限に大きければ問題はないのですが、普通の塾でしたらせいぜい20人程度が限界収容人数ではないでしょうか。値下げをして全席が埋まった状態で、今の売上より落ちるようでは、全く意味がありません。ちなみに、私は以前、通常2列+2列の机配置を、2列+3列の配置して、キャパの限界値を上げたことがあります。しかし、その新幹線教室(?)は、「狭い」「暑苦しい」「うるさい」の3重苦で、残念ながら、翌年、廃止となりました。

3.個別塾編

個別指導は変動費(講師給与のこと。授業数に比例して増えていく)ビジネスゆえに、値下げに対して全く向いていません。下図の横の数字は、値下げ前に「売上に対してどれだけ変動費が掛かっていたか」です。売上に対する変動費(講師給与)を30%だと仮定すると、同じ収益を上げるためには、月謝を10%値下げると、16.67%の売上増が必要になります。

単純に考えるために生徒数に換算して考えると、教室の生徒が50名で収益の増加を図るためには、

10%の値下げ・・・生徒が58名
20%の値下げ・・・生徒が70名
30%の値下げ・・・生徒が88名

の生徒が必要になります。たった10%の値下げでも、8名の生徒増が必要になり、20、30%ですと、もはや達成不可能な数字でしょう。

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何度もくどいですが、決して値下げをしてはなりません。例え、周りの塾が値下げしたとしても、決して値下げをしてはなりません。むしろ商品である授業に磨きをかけて、値上げするべきです。大変勇気がいる行為ですが、ここでしか受けられない授業があるこそできることです。一方通行の授業、単なる質疑応答の授業をしているようでは、話になりませんが。値下げをするくらいなら、是非、講師の育成をしてください。講師と話をする機会を増やすことからでもよいので始めてください。彼らが塾の商品を作るのですから、彼らを絶えず磨きをかけなければ、授業のレベルは上がりません。

ちなみに、ある条件が整えば、値下げは可能になります。ある条件とは・・・。このお話はいずれ「小さな塾のマネジメント術」でしたいと思います。

引用

「10%の値下げは、どれだけつらいか知っていますか?」
田中靖浩の管理会計入門講座(5)

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