個別の成長に限りか!?「FC企業編」

業界(W480)

前回の『個別の成長に限りか!?「上場企業編」』に引き続き、今回は「FC企業編」である。

個別指導学習塾のフランチャイズ(以下、FC)企業は、どのくらいあるのだろうか。下図はFC企業(本部)のポジショニングを表したものである。横軸にFC教室数の大小を、縦軸を個別もしくは集団・教育サービスにしてみた。

明光義塾をはじめとする個別専門塾は、教室数の伸びは断トツである。おもしろいのが、図の左下に位置する企業。これは、近年の個別ブームにあやかって出現した、大手学習塾の市進、英会話のECC、家庭教師のトライのように、集団塾もしくは教育サービスからの個別指導塾への進出である。

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フランチャイズWEBレポートより筆者が作成

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次に1都3県、首都圏の個別指導塾の教室展開を見てみると(下図)、FC展開している明光義塾、スクールIE、ITTO勢の教室数は、他を圧倒している。その他では県限定で、東京個別指導学院、リソー教育、市進学院などが検討しているぐらいだ。個別版戦国群雄割拠の中、果たして明光義塾の天下はこのまま続くのか。それとも明光義塾の牙城を崩す新興勢力は誕生するのだろうか。

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フランチャイズ研究所の『「フランチャイズ・ショー2009」を振り返る』によると、2009年度の学習塾。各種学校のFC出店数は、前年の14社から10社に減ったとある。また、『特に個別学習塾が増えているのは、生徒のニーズと料 金の大衆化が寄与したのであり、大手既存学習塾も個別学習塾に新規参入しており、少子化の中での成功事例である。「ゆとり教育」の見直しが、個別学習塾の 成長につながったのであろう。塾は、学校教育の補完施設から、今では公教育が失った機能まで求められている。教室数の増加は知名度の上昇と、教育ノウハウ の蓄積となり、個別学習塾の中で一段と格差が拡大しているように思われる。』と言及している。

なるほど、個別が時代に伴って成長してきたことは、確かなことである。となるとちょうど1年前に起きたリーマン・ショックの影響も考えざるを得ない。しかし、下図より明光義塾、ITTO、スクールIEの3大個別指導塾のFC教室数推移を見てみると、2009年になってもその動きに衰えはない。それどころか、明光義塾は2,000教室、ITTOは巧みにFC業界を巻き込んでの教室展開、スクールIEは海外進出も含めて1,000教室に向けて展開中である。これが実現可能かどうか見極めるのは大変難しいが、先のリーマン・ショックは、逆にFC企業にとって、追い風になるのではないかと筆者は推測している。というのは、リーマン・ショックにより、より一層の早期退職者が出現し、それは同時にフランチャイズ・ビジネスを展開する本部にとっては、かなり有利な条件が揃っているからである。

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それはまず、早期退職者は手持ち資金を多くもっていることだ。しかし、飲食などのFCに加盟し、店舗を展開するには、少なくても数千万の資金が必要であり、個人としてはリスクも負担も大き過ぎる。では、学習塾のFC展開ならどうかとういと、大手でも1,500万程度の資金があれば、開校はできる。小規模のFCなら1,000万を切ることも可能である。

次に、教育そのものが打ち出すイメージである。ほとんどの人が己の教育感を持ち、その熱い想いを語ることができるのが、塾ビジネスの場である。まあ、想いが強いから経営が上手くいくかは、全くの別問題であることは言うまでもない。なかには、どう考えても間違った教育観を持たれる方もいるみたいだが・・・。

そして最後が、終止雇用の崩壊である。ほんの少し前までは、いい大学を卒業して大企業に定年まで勤め、リタイヤ後は好きなことをして暮らす、このようなことが疑いもなく日本の社会で蔓延していたし、誰も信じて疑わなかった。だから彼らは、一企業の歯車となり必死に働いてきた。しかし、このような中で育ってきた企業戦士が、ある日突然、リストラにあったら・・・。残念ながら、希望通りの再就職は難しい。となれば、妥協して職を探すか自分で起業する道しか残されていないわけだ。

少子化少子化と騒がれているが、厳密には首都圏や大都市圏ではまだ少子化は始まっていない。だから市場の伸びしろはまだあり、各企業とも顧客の奪い合い(この場合、生徒でなく起業するオーナー)に走っているのである。

だから、あと数年は教室数に限っていえば、個別のFC教室の伸びは続くであろう。

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