第5回少子化対策『父親の子育ての参加』

前回は、少子化対策を経済、チャータースクールの導入と学習塾の関わりから書いた。最終回の今回は、『父親の子育ての参加』の観点から少子化対策を考えてみる。

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女性の社会進出

2008年度において、雇用者の総数が減少する中、女性の就業者数は 2,762万人で、雇用者の総数における女性の割合は41.5%まで上昇している。近年、女性が“職業”を持つ時代となり、「仕事と子育てとの両立」が社会的な問題として浮上してきた。出産後も働くことを希望する女性は増えているし、男性の雇用状況の悪化や離婚増加の要因もあって、子育てしながら働く母親は今後も増え続けていくことが予測されている。そのためには社会の受け入れ体制の整備が要される。

図1 労働力率の推移

出所:総務省統計局(2009)「労働調査」よりデータ収集・グラフ作成

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ライフ・ワーク・バランス

総務省によれば、急速な少子化の進行の背景には、就業継続と子育てとが二者択一的となっている状況や、国民一人ひとりにとって、自身の望む生き方の実現を困難にし、二者択一構造の原因となっている「働き方をめぐる様々な課題」の存在がある。

こうした仕事と子育ての両立が困難な現在の構造を「情勢が安心して結婚、出産し、男女ともに仕事も家庭も大事にしながら働き続けることができるシステム」への変革していくこと、すなわち「ライフ・ワーク・バランスの実現を目指した働き方の改革」が求められる。

我が国の社会の持続的・安定的な発展を図るためには、少子化の流れを変えるとともに、若者、女性、高齢者などの労働市場への参加を促進し、労働力人口の減少の緩和を図ることも必要である。一方、働きたい女性は多い(図2)。ライフ・ワーク・バランスの実現には子育ての支援が必要になってくる。

図2 女性のライフ・ワーク・バランスの希望

出所:男女共同参画白書(概要版) 平成21年版 第3章 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)

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父親の子育て参加

働く女性が増え、更に働きたい女性が多いばかりか、男性にも家庭と仕事のバランスを希望する人が多い。しかし、現実と希望は大きくかけ離れている。勿論、行政や会社にはこの現状を踏まえて、託児所の設置、放課後教育の充実等、より一層の努力が求められるが、私はそれ以外にも父親の意識変化が大切だと考える。

電通の調査によると、「子はかすがい」から「子育てはかすがい」に変わり、もはや父親の子育て参加は珍しくないようだ。特に若い父親ほどその傾向が強い。ほんの少し前までは、子育てというと母親の仕事だと認知されていた。しかし、もはや母親任せの子育ては時代遅れの感がある。

母親が子供を3人育てると実務10年という。また、カナダの民間調査団体によると、専業主婦の年収はサラリーマンに換算するとなんと1,280万円になるそうだ。なかなかたどり着ける年収ではない。このように考えると、主婦や女性への見方が変わってくるのではないだろうか。

ライフワークバランス実現のためにできること、そのひとつに父親の子育て参加があげられる。どんなに小さなことからでも良いからはじめてみてはいかがだろうか。母親、子供への理解が増すばかりか、ひとりでも多くの父親が子育てに参加すれば、行政や会社さえも動かすことになる。私はここに少子化対策の大きな核が潜んでいるような気がする。

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教育を軸に、『社会環境の整備』、『経済政策』、『父親の子育て参加』の3観点から少子化問題を探ってきた。少子化問題は多岐に原因が及んでいるために、一筋縄では行かない。しかし、先進国の多くが過去に少子化を克服したように、日本も骨太の対策が必要だ。「子ども手当」に魔かされてはならない。

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引用・参考

男女共同参画白書(概要版) 平成21年版

パパ男子」が今後の子育て市場の注目ターゲット

カテゴリー: 社会動向. Leave a Comment »