少子化はまだ始まっていない!?

『子ども・子育て白書』によれば、我が国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム1期には約270万人、第2次ベビーブーム期には200万人であったが、1975(昭和50)年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。1984(昭和59)年には150万人を割り込み、1991(平成3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている(図1)。

図1.年少人口と老年人口割合推移

また、合計特殊出生率をみると、第1次ベビーブーム期には4.3を超えていたが、1950(昭和25)年以降急激に低下した。その後、第2次ベビーブーム期を含め、ほぼ2.1台で推移していたが、1975年に2.0を下回ってから再び低下傾向となった。1989(平成元)年にはそれまで最低であった1966(昭和41)年(丙午:ひのえうま)3の数値を下回る1.57を記録し、さらに、2005(平成17)年には過去最低である1.26まで落ち込んだ(図2)。

図2.出生数と合計特殊出生率

我が国において少子化が進行し、さらにこの先続くことは確定的である。全国的に進む少子化だが、しかし少子化どころか、逆に子供の人口が増えているところがある。それが東京都であり、47都道府県の中で唯一、この10年で子供の数が増えている(図3)。しかし、実は東京都の合計特殊出生率は1.05(H19 )と全国値の半分しかない。いったい東京でなにが起きているのだろうか。

図3.全国と東京都年人口推移

東京23区の年少人口増減率を図4に示した。中央区を取り囲むようにほとんどの区で、年少人口が増えていることがわかる。お隣り千葉県浦安市も同様である。出生率が下がっているにも関わらず、なぜ子どもの数が増えているのだろうか。これは都心回帰現象が、着実に進んでいることに他ならない。図5は東京23区人口構成別増減比だが、ほとんどの区で人口が増えていることがわかる。

近年、東京臨海地区を中心にマンション建設ラッシュが続き、都心回帰が加速。しかし、人口増により思わぬ事態も発生している。それは、若年世代が新たに転入・増加 したことに伴い、出生数も増加し、江東区などでは児童の受入困難校が出る事態に陥っている。また、増える人口に交通インフラも追いついてない。現在、臨海部の晴海・勝どき地区から築地を経由して銀座を結ぶ約3キロのルートに、LRT(路面電車)を走らせようとする計画も出ているほどである。

図4.東京23区の年少人口増減率

図5.東京23区人口構成別増減比

データ出典:東京都資料

2005年より人口減少期に入った日本。これは予想より1年早かったという。今後更に、大都市圏に人口が集中することが考えられる。より中心部に。東京都23区でも新宿区、豊島区、北区などでは、既に少子化は始まっているが、一方東京の中心にある中央区をはじめとする江東区や港区などでは、少子化どころか子供の数は増えている。区内でもこのように人口格差が出ている。

子供を求めて同じ場所に塾が集まれば、結局のところ激戦から逃れられない。今後塾マーケティングは、地域別戦術、幼児や子供以外の層を対象とした展開など、ひと工夫もふた工夫も必要になってくるだろう。

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