4大経費のバランス取り

東京商工リサーチが全国の予備校・学習塾経営企業経営321社の最新期の業績を調べたところ、「増収減益」企業の増加が目立ち、赤字企業も増加していることがわかった。

全国の予備校・学習塾経営企業321社の総売上高は、最新期で5,618億6,100万円(前期比2.0%増)にのぼった。推移では、前々期が5,317億2,200万円、前期が5,507億7,500万円(前期比3.5%増)と前年を上回っている。

最新期決算の売上と利益は、最多が「増収増益」の81社(前期比6.8%減、前期87社)だったが社数は前期より6社減少した。一方、「増収減益」は57社(同23.9%増、同46社)で11社増加した。年々「施設費」、「教材・印刷費」、「人件費」、「広告宣伝費」の負担が重くなり、赤字企業が増加しているという。

「施設費」は、集団指導から個別指導へ、もしくは省スペース型のテナント化でコストの圧縮。「教材・印刷費」は、アウトソースもしくはデジタルへの切り替えをする。しかしこれはこれで費用が発生するが。

「人件費」は、むしろ今後コストをかけていく注目すべき箇所であり、社員育成やベースアップを考えたい。講師は“塾最大の商品”であり、優秀な人材を確保し、商品の品質向上は常に努めたい。

「広告宣伝費」に大きなコストをかける時代は、一部の企業を除き終焉しつつある。むしろ先ほどあげた人材育成により、商品の品質向上や差別化を図るべきである。なぜなら広告宣伝により下位ブランドが上位ブランドに対抗するには、それぞれの市場シェアの2乗比の費用を要するからだ(ランチェスターの法則)。

2乗比だから、2番手以下の企業がリーダー企業に勝つためには、何倍何十倍の広告宣伝や営業コストがかかる計算になる。折り込みチラシをど〜んと撒くのなら、自社の商品が競合に対してどのくらい強いのか、生徒数はどのくらいなのかなど、調査するところから始めなければ意味がない。

問い合わせが少ない塾(教室)の共通点は、販促のみで生徒集客に走っていることだ。ぜひ、人材の育成に努め、顧客である生徒に最高の授業を提供したい。広告に力を入れても生徒の成績は上がらない。

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学習塾の開業の仕方を教えます

学習塾の開校に当たって必要なマーケティング項目は、「商圏」「立地」「物件」「販促」「人材」である。

塾開校マーケティング

商圏…エリアの総人口と距離

立地…どこに立てるか

物件…テナントが目立つかどうか

販促…予算をかける

人材…室長・講師は魅力的か

商圏ではそのエリアにどのくらいの人が住んでいるか、塾予定地までの距離はどの程度なのかを分析する。よくマーケティング資料の数値に一喜一憂する方がいるが、その数字はあまり当てにならない。数字が良ければそれだけ競合も多いことを忘れてならない。ここで一番大事なことは土地勘である。自分の出す塾とその土地の風土が合わなければ、生徒はやってこない。これが分かるのはそこに住んでいる人だけだ。

商圏が決まったらお継ぎは教室の立てる場所の選定である。いわゆる立地。駅前もしくは駅近くなのか、駅も特急が止まるような大きな駅なのか普通電車しか止まらない小さな駅なのか。また、学校の近くや住宅街も選択肢のひとつだ。トレンドとして、小さな駅もしくは住宅街に塾が立つようになってきた。それだけ塾が乱立しているとことに他ならない。

物件にはこだわりを持ちたい。ほとんどの方がテナントに入ることになると思うが、塾はサービス業ということを忘れてはならない。まだまだとんでもない物件で塾をされている方を見かけるが大きな間違いだ。となりの塾よりもかっこよくおしゃれ、そしてなにより目立つことが大切である。

開校時の販促は、折り込みチラシを該当エリアにできるだけ多く入れたい。合わせてDM(ダイレクトメール)も送れたらなおさら良い。とにかく塾ができたことを知ってもらわなければ事は進まない。次項の人材がうまく絡めば、開校以後販促にかける資金はぐんと少なくて済む。口コミが生まれるからである。開校時の販促は決してケチってはならない。

最後の人材は最重要項目。ここでこけると上記項目がすべて水の泡と化す。目に見えない授業という商品を売る塾。なによりもその授業をする講師の腕、そして講師陣をマネジメントする室長のスキルを磨き続けなければならないの。塾の商品は講師そのものだと言える。日々鍛錬なのだ。

1円刻みのデフレ競争にしのぎを削る小売業に比べれば、学習塾ビジネスはまだまだ収益面でのゆとりは大きい。「教育」というソフトを売る学習塾では、指導方法の工夫次第で資本力の差に影響されることなく、顧客である生徒を集めることができる。志を持って地域に密着した塾展開ができれば、場合によっては大手に勝つことも珍しくない。

塾開業コンサルタント.jpより

小さな塾のマネジメント ~入塾面談編 Part2~

小さな(W480)

面談力の強化は、全てに効果をもたらす。

どういうことかというと、面談、特に入塾面談にて、保護者や生徒に好印象を持たれれば、下手な小細工をしなくても生徒は集まってくる。今回はその辺のひもを解いてみたい。

面談の結果を、面談の量と面談の質の掛け算で考えてみよう。いくら量をこなしても質が伴わなければ、入塾数は増えない。また、その逆もしかりだ。それでは、面談の量や面談の質を上げるにはどうしたらよいのだろうか。ポイント別に上げてみる。

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面談の公式

面談の量を増やす方法

面談の量=面談時間-(意図的怠慢時間+結果的怠慢時間)

◆面談時間
面談そのものの時間や面談を作るに使う時間

≪Point≫
時間の使い方が未来志向型になっているかどうか。事務処理に追われていては・・・。事務だけが室長の仕事ではない。

◆意識的怠慢時間
意図的な業務活動以外の時間
(世間話、インターネットサーフィン、長電話など)

≪Point≫
無駄を一切省くことは逆に余裕を失くす。予めあえて無駄な時間を創ることも大事

◆結果的怠慢時間
結果的に業務活動以外になっている時間(営業日報、曖昧なスケジュール、相手に合わせている、振替・遅刻・休み対応)

≪Point≫
・営業日報は止める。脚色なしの数値報告のみに徹底し、上司はヒアリングを日課とする。
・タイム・マネジメントが効果的。始業ミーティング終了後に、作戦会議&事務作業を済ませる。あえて休みを創る。

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面談の質を上げる方法

面談の質=面談知識量+面談センス力+デザイン力

◆面談知識量

  1. 面談の手順(シナリオ化)
  2. 営業マンとしての姿勢(マナー)
  3. 教務情報(アンテナを張る・勉強をする)
  4. してはいけないこと(過去の面談失敗から)
  5. その他、「 どうやれば入塾させることができるか」の知識

≪Point≫

まずは知識がなければ始まらない。知識を活用し、知恵にする。そのために、よーく学び、よーく遊ぶ。また、異業種の動向を知ったり、セミナーで刺激を受けるのもよし。努力で伸ばすことができるのが面談知識量だ。

◆面談センス力

  1. 第一印象がよい(性格の明るさ、笑顔、声、話し方、熱意、服装、身だしなみ)
  2. ポジティンブで負けず嫌い
  3. 記憶力(特に数字に強いこと)
  4. 質問に対して簡素に話す能力
  5. 洞察力(相手の心を読む力)
  6. ヒアリング能力(相手の意図していることを読み能力)
  7. 人の悪口を言わない

≪Point≫

残念がらセンス力の大幅アップは難しい。だからといって諦めてはいけない。身だしなみやなどは、今日からも改善できる点だ。保護者であるお母さんは女性です。

◆デザイン力

  1. 保護者に対する改善提案ができる能力
  2. サービスの次世代を予測する能力
  3. 保護者に対して訴求力がある提案書を作成できる能力
  4. 現状のサービスを保護者に魅力的にプレゼンテーションできる能力
  5. ライバル塾のサービスの特徴を捉え、自社サービスとの機能比較を怠らない能力

≪Point≫

是非、室長2,3年目あたりから実施してほしい項目。上記の項目は身につければ、どの業種でも通用する自分の強みになる。そのためにも、日頃から情報収集に励み、セミナー・研修などで人脈を築くことが大切である。

*

上記の全ての項目をすべてチェックするのが理想だが、攻めてひとつの項目でもスキルアップに時間とお金を費やしてみる。間違いなく面談力のスキルは上がる。面談のスキルを上げることは、生徒増、収益向上、キャリアアップにつながり、大きな道が開けてくる。

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引用

御社の営業がダメな理由(新潮新書):藤本篤志

<script type=”text/javascript” src=”http://eventforce.jp/event/1209/widget?type=button&#8221; charset=”utf-8″></script><p id=”eventforce-widget-button-text”><a href=”http://eventforce.jp/event/1209&#8243; target=”_blank”>詳細を見る</a></p>

小さな塾のマネジメント ~入塾面談編 Part1~

小さな(W480)

小さな塾のマネジメントの新連載。経営管理バランススコアカードのご質問が多く、一度、教室運営の経営指標について、きめ細かく見てみたい。まずは、今回と次回の2回に渡って、入塾面談について扱ってみる。

入塾面談の代表的な指標は、来塾率入塾率である。来塾率は、問い合わせから来塾する割合、入塾率は、来塾してくれた方が面談後、入塾する割合を示したものである。それぞれ、下記の数式で表すことができる。

来塾率

来塾予約率=来塾予約した件数/(資料請求+電話予約)×100
実来塾率 =来塾した件数/(来塾予約した件数+直接来塾件数) ×100

入塾率

面談入塾率 =入塾した件数/面談した件数 ×100
来塾入塾率 =入塾した件数/来塾した件数 ×100

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実際、どのくらいの率を残せばよいのだろうか。指導形式による違いもあるが、優秀と言われている塾(教室)は、出口の来塾入塾率が80%を超えているケー スがほとんどである。この数値を出すためには、実来塾率・面談入塾率ともに80~100%の間で推移しなければならない。これは大変高いハードルであ る。

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問い合わせから入塾までの流れ

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来塾入塾率が50%、つまり半分を切る塾(教室)になると、経営に支障を来たすケースが多くみらる。よく、考えてほしい、塾に来たのにも入塾しなかった保護者や生徒の声を。良い印象があるはずがない。このようなケースが口コミで広がると、負のスパイラルに陥り、問い合わせ件数が落ち込み、どんどん入塾数が減っていくのである。赤字転落は言うまでもなく、教室閉鎖もありえる。

このようなことに陥らないためにも、なにが問題点なのか見極め、適切な数値目標を設けなければならない。例えば、来塾入塾率を70%を保ちたければ、実来塾率80%かつ面談入塾率90%の図式ができる。それでは、実来塾率を80%にするために必要なのは、電話のスキルなのか、パンフレットやホームページの充実なのかを見極めなければならない。また、面談入塾率を90%にするためには、面談力の強化なのか、教室内の雰囲気なのか、スタッフの教育なのかを考えなければならない。

次回は、入塾面談そのもの、面談力についてお話ししたいと思う。

生徒の増え方

小さな(W480)

新年度の取り込み、夏期講習の取り込みはいかがだっただろうか。業界全体からいえば、苦しい前半戦だったのではないだろうか。上手くいかなかった塾は、秋冬の取り組みで、来年度の生徒増に繋げるきっかけ作りしたいところだ。

今まで、100以上の塾を見た経験から、学習塾の生徒の増え方は4通りある。以下、4つのパターンある。

パターン1

年間の入塾数が退塾数を大幅に上回るパターン。新規開校や室長交代時に起こることがほとんどだ。単なる数値だけに捉われずに、現場を踏まえた実践的なマーケティングにより、校舎を新規開校、かつ力のある室長が担当したときに、このパターンは必ずやってくる。また、既存の教室でも新規担当者が、前任者の期待値より遥かに高い期待値を、生徒・保護者に打ち出すことでできれば、このパターンはやっぱりやってくる。「数値上はいいのに」、「一生懸命頑張っているのに」と言っているようでは、このパターンはいつまでたっても訪れない。

パターン2

年間の入塾数と退塾数がとんとんの場合。よくあるのが、春先になり受験生は消えた分を春夏冬で取り返すパターン。そして毎年このパターンを繰り返す、万年室長型である。若いうちはまだいいが、年を取ると体力勝負ができなくなり徐々に生徒が減る傾向に・・・。

パターン3

年間の入塾数が退塾数を上回るパターン。このパターンのポイントは春先にあり、その仕掛けは、受験生の継続である。「えっ!合格したのにまだ塾に来るの!?」といった生徒・保護者の気持ちを上回る大義名分が必要である。それより口の上手い室長か?

パターン4

年間の入塾数が退塾数を上回るのはパターン3と同じだが、受験生の継続に失敗したケース。でも夏で前年復帰、冬で貯金をつくれるコツコツ型タイプ。きっと口下手な室長なのだろう。

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生徒の増え方 2009 copyright (c) kon_sult

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対策と傾向

どこかの受験参考集みたいだが、それぞれのパターンについて触れてみる。

パターン1

これだけ生徒を伸ばせる力を持っているわけだから、新規開校専属になるのが一番力を発揮できる場所である。よく、この人のやっていることをマニュアル化する塾もあるが、悲しきかなこれがなかなか機能しない。書店に並んでいる「カリスマ店員」とか「伝説の営業マン」などといっしょで、この人たちは一般人と比べて非凡であり、なんらかの極めて高いセンスを持っている。だから一石一朝で、彼らと同じようにすべてできない。もちろん努力することは必要だがら、自分にできる部分から真似するとよい。

パターン2

一番多いパターン。もし、3年間も同じようなパターンが繰り返されるのなら、配属替えをしてみてはいかがだろうか。そして新天地でおもいっきり努力する。筆者もこれに救われた中のひとりである。ただし、立地が悪すぎる、大手がある、チラシがよくない、講師の質が悪い、本部が悪い、生徒もよくない(笑)などと他責の念が強いようなら、どこに行っても変わらないが。

パターン3

継続について力を持っている人なので、このスキルを組織で共有したい。しかし、残念ながら、誰もがこの人と同じような結果にはならないのは、パターン1と同様である。それでもこの人のやっていることを、誰にでもできるように組み換え、組織全体に取り入れて、継続率を高めている塾はごまんとある。貴塾では、全社一丸となって継続に取り組んでいますか?

パターン4

大変、頭が下がるタイプである。とても真面目でコツコツやるか、教育熱に溢れている方に多い。ただし、今後、継続に力を入れるのか、もしくはそれに変わる集客がなければ、苦しい展開になるだろう。

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少子化に加えて不景気が襲い掛かり、生徒を維持するだけでも大変な時代に突入した。しかし、生徒を伸ばしている塾はたくさんあり、その共通点はただひとつ。今までの成功体験に捉われず、今の時代(まさに今!)に合ったサービスを打ち出している塾である。「去年はこうだったなぁ。今年もそうするか」と言っているあなた、とても危険ですよ。

ブルー・オーシャン

小さな(W480)

価格競争、相次ぐM&A、学習塾の競争が激化している。更にこの動きが加速化すれば、ますます市場は泥沼化するだろう。少子化が確実な現代、もはやこれは避けられない。そもそも市場が泥沼化するわけは、どの塾も差異化のない商品戦略を取っているからである。特に中小の学習塾が、大手と同じような戦いをしていては、決して勝つどころか生き残ることすらできない。そのために、重要になってくるのが商品企画であり、価格競争に巻き込まれず、いかに参入障壁が高い商品開発ができるかが、ポイントになってくる。なにかよい策はないのだろうか。そこで注目したいのが、ブルー・オーシャン戦略である。

1)ブルー・オーシャン戦略の概要

ブルー・オーシャン戦略(Blue Ocean Strategy)では、価格や機能などで血みどろの競争が繰り広げられる既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海)」とする一方で、競争自体を無意味にする未開拓の新市場を「ブルー・オーシャン(青い海)」と呼ぶ。W・チャン・キム(2005)は、新市場創造のために、製品・サービスの価値を「取り除く」「減らす」「増やす」「付け加える」ことによって再定義すべきだと説く。こうすれば、コストを抑えながら買い手にとっての価値を大幅に高められるという。これを図式化するための「戦略キャンバス」などの分析ツールも提示している。「日本企業でも、任天堂などが既にブルー・オーシャン戦略を実践している。国内市場が成熟してレッド・オーシャンにいるケースが多い日本企業にこそ、発想の転換が必要だ」と話す。

任天堂Wii[1]は、「非顧客」を顧客化した典型的な事例だ。これまでゲームであまり遊ばなかった小さい子どもや大人にも満足してもらえるゲームを出すことで、ブルー・オーシャン(新市場)を開拓した。 任天堂も(Wiiの前世代の)「ゲームキューブ」を発売した時は、ソニーや米マイクロソフトとの激しい競争の中で、レッド・オーシャンに溺れそうになっていた。任天堂を含むどの企業も、ゲーム機の主要な顧客を10代後半だと考え、この層を満足させるために、画像処理の性能など機能面で競争してきた。

筆者も実際にWiiを購入したひとりであるが、今までのゲームにない動きを取り入れることで、体感性を上手く表現していると思う。なにしろ面白く熱中させるゲームが多いし、単なるゲームを超えたジャンルにも積極的に進出し、マーケティングを活発的に行っている。

ブルー・オーシャン戦略の代表的なツールは3つある。いずれも効用・価格・コストの3つを同時に達成しようとするためのツールである。実際に、3つのツールを用いた、任天堂Wiiのブルー・オーシャン戦略を見ていきたい。なお、この戦略分析は筆者の考えのもとで行ったのもで、(株)任天堂の保有するそれではないことを付け加えておく。

2)任天堂Wiiのブルー・オーシャン戦略の概要

1.戦略キャンパス

ここでは、既存の市場空間について現状を把握し、これを通して競合他社が何に投資をしているのか、何を売りにしているのか、さらに顧客はどのようなメリットを享受しているのか、などが理解できる。Wiiと他社製品の狙いの違いは一目瞭然である。

wiiblue

出所:Permanent Innovation (http://www.permanentinnovation.com)

2.4つのアクション

ここでは、買い手に提供する価値を見直して、新しい価値曲線を描く。そのために、4つの問いを通して、業界のこれまでの既存な考え方を一蹴する。

「Q1.業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべきものは何か」

「Q2.業界標準と比べて思い切り減らすべき要素は何か」

「Q3.業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か.

「Q4.業界でこれまで提供されていない、今後付け加えるべき要素に何か」

(W.Chan Kjm,Rene Mauborane,2005.p.51)

Wiiはこれらの問いにすべて答えている。ざっくりと取り除いたHard DiskとDolby5.1、DVD、Connectivily、大胆に増やしたMotion Controler、また、新たな顧客を得た。

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出所:Blue Ocean Strategy (http://www.blueoceanstrategy.com/)

3.アクション・マトリクス

最後のツールは、4つのアクションを補う分析手法である。4つのアクションをマトリクス化することにより、即座に次の4つの効果が生まれる。以下に、Wiiのアクション・マトリクスを示す。

取り除く(Eliminate)

  • ハードディスク(Hard Disk)
  • 音響装置(Dolby5.1)
  • DVD
  • 接続性(Connectlivly)
増やす(Raise)

  • プロセッサースピード(Processor Speed)
減らす(Reduce)

  • 価格(Price)
付け加える(Create)

  • 体感性(Motion Controle)
  • 顧客層の拡大(Large Public)

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ブルー・オーシャンが、大変ユニークな手法であり、大きな可能性を秘めていることは確かなことだ。次回はこのユニークな戦法が、学習塾の経営において活用できるのか吟味してみたい。きっとおもしろい活用方法が、あるのではないだろうか。是非、学習塾の青い海を見てみたい。

[1]2006年12月2日任天堂より、発売された家庭用ゲーム機。ユニークなコントローラーを持つ。

学習塾版BSC

小さな(W480)

前回まで、学習塾経営における様々な指標の管理について、話を進めてきました。しかし、会計数値以外にも大事な数値があり、それをいかに管理するかが重要になってきます。そこでバランス・スコアカード(以下、BSC)の登場です。

「バランス・スコアカード」の「バランス」という言葉には、経営指標をバランス良く配置し、業績評価を行うため、会計数値だけでなく、それ以外の指標も使いながら、企業価値を創造していくという意味を持っています。具体的には財務指標と非財務指標のバランス、社内と社外とのバランス、過去と未来とのバランスなど、多様な意味が含まれています。また、「スコア」には、これらの計画や実績を測定可能な数値的尺度で評価するという意味があり、各視点について後述する戦略的目標、成果尺度、パフォーマンス・ドライバーを示すことが求められています。

BSCは、経営管理システムの中核を担うものであり、1.財務、2.顧客、3.業務プロセス、4.学習と成長、の4つの視点から総合的に業務達成度の程度を把握します。

4eyes

1.財務の視点

企業(教室)の永年的存続(ゴーイング・コンサーン)のために、企業価値の向上を図る必要があります。成果尺度例として、「売上高や利益の伸長率」、「コスト削減率」、「資本回収の短縮化」などがあります。

2.顧客の視点

顧客(生徒・保護者)が、どう満足を得ているかどうかが評価の尺度になります。顧客の支持がなければ企業は存在意義を失っていまい、財務基盤の安定も図れません。そのために、企業は顧客の満足を得るような経営を努めなければなりません。成果尺度例として、「顧客満足度の高低」、「講習会の獲得率」、「マーケット・シェア」「紹介数」などがあります。

3.業務プロセスの視点

事業活動の目的は、顧客(生徒・保護者)からのご要望に対して、商品(授業)やサービスを提供することによって利益を獲得し、財務基盤を強固なものにするものです。そのためには顧客に対し、より品質の高い、しかもより価値の高い商品やサービスを提供しなければなりません。さらに、企業自ら業務プロセス見直しや改善が重要な課題となり、これに向けて全社的に取り組んでいくことが必要になります。成果尺度例として、「リードタイムの短縮化」、「クレームの減少」、「授業レベルの向上」などがあります。

4.学習と成果の視点

顧客満足度を得るために、当該企業の構成メンバーが着実に学習と成長を果たさなけえれば、事業活動の永続性は期待できなくなります。このように全社的に見て、人材とともに組織自体も成長しているかどうか、また、その成長の方向性やレベル・習熟度といったことが、経営にとって重要な課題になる。成果尺度例として、「教育制度の整備状況」、「インセンティブ制度の整備」、「離職率」、「提案件数の伸び率」、「社員満足度」などがあります。

バランスカードの4つの視点の関連性についていえば、財務の視点が優先されるが、ほかの3つの視点との関係は下図のようになっている。

例えば、利益生の向上を戦略目標とする。財務の視点として、生徒数増と授業料単価向上により売上の拡大をし、授業の穴コマと口コミ効果により広告費の削減をする。そのために顧客の視点とし、授業の質を上げて成績アップと顧客ロイヤリティの向上により紹介の促進を図る。また、それを可能にするのが、業務プロセスとして、授業のシナリオ化とクレームを誠意を持って対処することにより、顧客の満足度を上げる。ベースとなるのが、学習と成長の視点で、人材の育成スタッフのモチベーションの向上に努める。

BSCmap

一般的に、経営計画の策定や説明に時間をかけ、部・課レベルまでに利益目標や課題が徹底化されているにもかかわらず、業務向上になかなか結び付かない企業は少なくないのが現状です。このような問題が起こる原因のひとつに、財務的指標といった定量的な数値目標は部・課レベルまでに設定されているが、それを達成するための施策、すなわち、BSCにおける非財務的な3視点の戦略目標の具体化や数値化が十分に行われていないことなどがあげられます。こういった場合、従業員はなにを目標にし、具体的にどのような行動をとればよいのか、十分理解されていないことが多く見られます。

そのような事態に陥れないためにも、BSCの進捗管理がとても重要になってきます。そのためにもBSCシートに、生徒の獲得、成績の上がり方、講師の育成など、さまざまなパラメーターを数値化し管理していくのです。そしてスタッフとこのシートを共有しいきます。

BSCを取り入れた経営は、多くの指標の管理に手間はかかりますが、単なる生徒数や利益だけの経営指標を取り入れた経営に比べて、最終的に高い生徒数や利益を出せる可能性を秘めています。これは、財務面以外にも顧客、業務、学習と成長を管理するからです。

BSCは、企業のみならず病院などの医療機関でも、導入するところが増え始めています。これは、病院には、患者ひとりひとりにきめ細かな対応と、利益の創出が求められているからではないでしょうか。学習塾を含めた教育機関も、生徒ひとりひとりの対応と、やはり利益の必要不可欠です。少子化、市場の寡占化、経済の悪化といった状況化において、「勝つ」にいくためには、BSCの導入がひとつの鍵を握っているのではないでしょうか。

BSCcard

【引用】
産業能率大学SBCP accounting/finance
バランスカードnavi

経営管理で学習塾の経営力アップ!

小さな(W480)

「人件費」「広告宣伝費」「家賃」、これらを学習塾経営の3大経費と呼びます。これらの経費を抑えながら、売上を伸ばさなければ、学習塾の経営は成り立ちません。そのために、売上や経費のコントロールを、タイムリーに把握する必要がでてきます。その手助けになるのが、今回お話しする経営管理の手法です。

問い合わせ・来塾・入塾の一連の動き、退塾、また、授業料やそのもとになる生徒の授業週回数、未収金はタイムリーに把握しておきたいものです。また、目標値までの残された期間とその差異、在籍生徒の学年比率なども合わせて確認が必要です。経費としては、人件費である講師給与は、要注意です。ちょっと息を抜くとあっという間に、経営を圧迫する費用になりかねません。

以前、こんな塾長がいました。その教室(個別指導)は、生徒も少なかったのですが、講師に生徒を付けてあげたい(稼がせてあげたい?)とのことで、本来は講師1人につき生徒2人の授業なのに、講師1人に対し生徒も1人で授業を行っていました。だから講師の給与は倍になり、塾長はその穴埋めにアルバイトの日々でした。講師の育成やなんらかの意図があり、このような講師配置にすることは理解できますが、自ら経営を圧迫するような行為は避けなければなりません。

極端な例でしたが、講師給与のコントロールは、塾経営にとって大切な要素です。勿論、講師育成のために、かけるべきところにはかけなくてはなりませんが。

講師給与も含めた数値を「経営管理シート」で、一元管理をします。このシートは、飛行機でいえば、コクピットの計器の役割を果たしてくれます。機長である塾長(室長)は、これらの計器と外(教室)の様子を照らし合わせながら、教室のフライト(経営)にあたります。くれぐれも計器を見落としたり、外を見ないようなことはしてはいけません。すぐに飛行機ならぬ教室は墜落するでしょう。計器飛行と目視飛行の両方を心掛けましょう。また、経営管理シートでは、「先月数値実績」→「先月の行動結果・反省」→「今月数値目標」→「今月の行動目標」の順に、1ヶ月間ごとに数値・行動の流れを、コンパクトにひとまとめにすることができます。とてもありがたいシートなのです(笑)。

経営管理シート

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経営管理シートの他に、予算、実績、BSC、週回数、成績管理、問い合わせ・入塾、退塾、学校別在籍数、販促一覧などのシートがあります。どれもこれも学習塾経営に大切な項目です。このぐらい項目がないと、教室の経営状態を多角的に見ることはできないでしょう。

年間予算 月別の目標生徒数・授業料単価・経費を決定し、年間予算を決定
年間実績 月別の売上・経費・生徒数
経営管理 このシートで学習塾の教室経営に必要な数値を一元管理。飛行機でいう、コクピット計器の役割を担う
BSC あらゆる行動の達成度を数値に置き換える。いわゆる経営の見える化をする
週回数分布 生徒の平均通塾回数を算出
成績管理 通知表などの成績の推移
問い合わせ・入塾 問い合わせから入塾に至るまでの行動計画
退塾 退塾者の傾向を掴み、退塾防止に繋げる
学校別在籍数 ターゲット学校別の塾在籍生徒数の分布
販促一覧 他塾の販促パターンの把握

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次に、各シート間のつながりを見てみましょう。各シートはリンクしており、経営管理シートに全て集約するように構成されています。例えば、経営管 理シートのある数値を見て、おかしいと思えば、その数値の元であるシートを辿れば、詳細な情報が得られるようになっています。

sheet_link

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応用例として、複数校を展開されているのならば、教室の予算・実績P/Lシートを、本部のP/Lと連動すると、更に効果的です。機会があれば、お話したいと思います。次回はBSC(バランス・スコアカード)の説明です。

経営の見える化

企業は未来に向かって中期経営計画を策定し、それに伴う経営方針を打ち立て、予算編成をします。学習塾の経営も同様です。中小企業の場合、社長の頭の中にそれらの計画が描かれている場合が多いですが、社員とビジョンの共有ができていれば問題はないです。もし、数年先の計画を立てていなければ、これを機に3ヶ年程度の計画を立てることを強くお勧めします。すぐそこまで来ている業界再編の波に埋もれないために。

予算は目標として現場に降り、各教室長が腕を振るって教室運営に当たりますが、なかなか数字を作ることができず、目標達成できない場合が多いです。誰にでもある苦い経験だと思います。外的要因を除けば、目標達成できない理由は2つあり、ひとつは教室長の努力不足で、もうひとつは経営サイドが然るべき指示やアドバイスを出していないケースです。なぜ、的確な指示が出せないかというと、現場を把握できていないからです。現場を知るのに一番いいのは言うまでもなく、経営者が直接現場に出向くことです。しかし、多忙な経営者がいつも現場に行くことは困難なことです。だから、現場にいなくてもある程度、現場の状況が掴め、経営会議などの場で然るべき指示ができるような組織が、ひとつの理想象です。こういう組織は会社を強くし、数字を作ることができます。厳しい環境化においても生き残っていく会社でしょう。

経営会計術

経営者が現場の様子を把握するためには、経営の見える化が効果的です。経営の見える化すなわち可視化経営は、経営を「財務」「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」といった4つの多面的な視点から総合的に業績達成の程度を把握する、BSC(バランス・スコア・カード)の概念を取り入れています。砕いていえば、「なになにをいついつまでにどのくらいまでやる」といったように、全ての事象を目標化数値化に置き換えて管理の一元化をします。例えば、広告宣伝費の削減、タイムマネジメント、生徒の成績向上など、BSCの活用ができます。次々回あたりで、もう少し詳しくBSCの説明をしたいと思います。

可視化経営は、あらゆる経営のムダを省き、業務の効率化を図ってくれる可能性があります。特に現在のような売上が上がらず(生徒が集まらない!)、先行き不透明な時代こそ、金・時間のコスト削減は、必達目標として取り組む必要があります。削減できた金と時間を新たに成長分野に投資すれば、必ず次のチャンスが生まれてきます。

シート2

最後に補足を。決算書の扱い方です。税理士に決算書の作成だけさせている経営者が多すぎるように感じます。彼らは財務・会計のプロなのだから、決算書を元にどうすれば経営がうまくいくのか考えさせるのです。重箱の隅までしっかりと突っついてもらうことが、より骨太の経営につながります。

次回は経営管理シートの概要です。

小さな塾のための実践経営管理術

学習塾経営者向けのサイトは数多くあれど、少子化・不況といった状況からも、そのほとんどが生徒の集客方法に特化したものです。学習塾を経営するにあたり、生徒の集客は死活問題ですが、生徒は思うように増えてくれません。現在の悪化した経済、流れのある社会では、生徒は増えるどころか減り、減収が止まらない塾も多く見受けられます。今までの収益構造では限界が来ており、現在の危機に打ち勝ち、今後の市場で生き残ること困難なことです。そうならないためにも、小さな塾のための実践経営管理術では、収益の構造を見直し、コストのコントロールを施し、高効率経営を目指します。

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どこかで生徒集客のための素晴らしいノウハウを学び、実践された方も多いかと思いますが、正直それが当たるかどうかは、教育の地域性の問題もあり、実施してみるまでわからないことが多いです。売上を伸ばす努力は絶対に必要ですが、この時期だからこそ確実にできる経費のコントロールをし、固定費と変動費の支出を抑え、利益を上げ収益性を高めたいところです。学習塾の収益のコントロールは以下の3つに絞れます。

  1. 売上を伸ばす・・・生徒数、授業料単価
  2. 固定費を減らす・・・家賃、広告宣伝費
  3. 変動費を減らす・・・時間講師給

非常にシンプルな収益構造です。しかし、モノではなくヒトを扱う教育ビジネスは、数字では表せない難しさもありますが、たとえ生徒が今よりも2,3割減ったとしても、利益が出る水準を目指していきます。

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高効率経営を実現するためには、ほんのわ ずかな基礎的な会計の知識、コミットメントのサイクルが必要になりますが、一番大事なのは「生き残りたい」「本当の教育をしたい」という想いではないでしょうか。

次回は経営管理の流れを説明します。

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