なぜ、こんなにかかる広告宣伝費

前々回、「学習塾CM-2009春編-」にて学習塾の広告宣伝費は、各業界の中でもかなり高いことをレポートしました。更に今回は、上場企業10社をピックアップして広告宣伝費の分析をします。下図(決算書より作成)より、東京個別指導の売上高広告宣伝費率は群を抜いています。その他の企業も東京個別指導程ではないですが、やはり高い水準にあります。

なぜ、ここまで学習塾の広告宣伝費が高いかというと、これは商品が同質化している証拠であります。ここでいう商品とは、学習塾でいうと授業になります。ビジネスが同質化に陥ると商品がどれもこれも似たり寄ったりですから、広告量での勝負になります。だから資本に勝っている企業が優位になります。特に大学生の時間給講師で授業をする個別指導では、この傾向が一段と増します。なぜなら、大学生講師は、やっと育った頃に大学の卒業と同時に塾から去ってしまうからです。初めの1,2年で授業のルーチンを覚え、これから授業を自分の色を深めていく時に、皆辞めていきます。結果、授業の特色は薄れ、どれもこれも同じような授業になり、広告の勝負にならざるを得ないのです。

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下図は売上高に対する人件費率と広告宣伝費率の関係を企業別にプロットしたものです。やはり、東京個別や明光等の個別指導は、人件費に比べて広告宣伝費に傾き、栄光や市進などの集団指導は、その逆になっています。ちなみに業績がよい企業は広告型の方に多いです。

広告合戦に巻き込まれないためには、どうすればよいのでしょうか。それは学習塾の商品である授業そのものにもっと息吹を込め、他塾と違った授業を打ち出すことです。同質化の逆、差別化を行うのです。特に中小零細塾は大手に比べて資本力で圧倒的に差を付けられているからこそ、授業力で勝負です!現在、大激戦のスーパーにおいて小資本の弱小企業では、自社開発のPB(プライベート・ブランド)に手をかけることができず、品揃え程度で勝負するしかありません。しかし、授業というソフトを売る教育業では、トップの志とリーダーシップがあれば、規模は小さくても生き残り、勝ち抜くことができるのです。授業開発に費やした労力はその年月分、必ずや生徒にも塾にも大きな効果をもたらしてくれることでしょう。

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次回は、広告宣伝の手法について考えてみます。

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コメント / トラックバック1件 to “なぜ、こんなにかかる広告宣伝費”

  1. 学習塾の広告宣伝「マスからダイレクト・マーケティング」 « 経営教育研究所 Says:

    […] 学習塾の広告宣伝費は、依然として高い水準にあることは、前回「なぜ、こんなにかかる広告宣伝費」で話した。しかし、いかに素晴らしい商品(授業)を提供しても、その商品の存在や特長を顧客である生徒・保護者に知ってもらわないと、販売には結びつかない。ここにプロモーションの重要がある。プロモーションは、広告・販売促進・パブリシティ・人的販売の4つの活動に分類できるが、今回は、広告宣伝と口コミの活用にフォーカスを当ててみる。 […]


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